TNRやさくら猫について

雑学
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TNRという言葉を聞いたことがある方もいると思います。
ここではTNR・さくら猫についてお話していきます。

TNRとは

T(Trap・トラップ)
N(Neuter・ニューター)
R(Return・リターン)
の略です。
捕獲機などで猫を捕獲→トラップ
不妊・去勢手術→ニューター
元の場所に戻す→リターン

という意味です。

なんのために?

猫の発情期は年2回・妊娠期間は約65日です。
1度の出産で平均5匹産み、その子猫も生後7か月頃に最初の発情期を迎えます。
近所の野良猫2匹が1年であっという間に数十匹になり、フン被害やゴミ漁りで苦情→殺処分ということになりかねません。

まず殺処分の多くが子猫です。
母猫が獲物を探しに行き、そばを離れている時に連れていかれる場合もあります。

殺処分でなくても、そもそも外で生まれた子猫の多くは季節の変化に耐えられるほど丈夫な体ではなく死んでしまいます。

成猫の場合は保護できても、外で生きてきた猫は簡単には飼い猫にもなれません。
外がその子にとって生きる場所であり、人間との共存が難しい場合もあるのです。
でもこのままではフン被害などの苦情により処分対象になる可能性もあります。

しかし避妊・去勢手術をし、その子を捕獲した場所に返す、そうすればその子はもう繁殖能力がありません。
そして手術済の目印が桜カットです。

さくら猫には『一代限りの生を全うさせてあげましょう。』という意味があります。

つまり殺処分の対象になりません。

カットする耳は左右で意味が違うの?

結論から言うと地域によります。

私の住む地域では両耳です。

片耳では喧嘩でついた傷なのか判断がつかない場合もあるのでは?という理由から両耳カットになっています。

メスは左・オスは右をカットという地域もあるそうです。

カットする場所が違っても意味は同じです。

誰がするの?

TNR=保護団体・行政
のイメージが強く、実際多くの保護団体さんが率先して行ってくれています。
ですが個人でTNRを行うこともできます。

例えば近所で子猫が数匹産まれたとします。
自分では保護できない、でもこのままではフン被害などで苦情が出るかもしれない、この子たちも外での生活で大きくなれるのか心配、など色んな不安がありますよね。
猫が好きな方ばかりではないですし…。
心配してお住まいの行政や保護団体に連絡をするとTNRの提案を受けることもあるでしょう。
(捕獲機を貸してくれる場合が多いです。)

手術代は誰がだすの?

お住まいの地域によりますが、
私の住むところだと手術代はオス・メスどちらも6千円です。

飼い猫の場合、動物病院によって差はありますがオスは1万円~2万円、メスは1万5千円~3万円ほどかかります。
TNRでは動物病院・市の補助により6千円になっています。

みんなでお金を出し合って望まれない出産を減らし、殺処分を減らしていきましょう、ということです。

まとめ

TNRは捕獲・手術・もとの場所に返すという意味がある。
望まれない出産・殺処分を減らす手段である。
手術後は桜カットをし、このカットがある猫は殺処分の対象にならない。

最後にとても大切なことですが、外の猫に餌をあげるのであれば必ず手術をしましょう。
あなたにとっては『たまにうちの近くに来るからごはんをあげている』という感覚でも、その餌やりが原因で猫が集まり・増えていくこともあります。栄養状態のいい子はどんどん出産し、苦情がくることもあります。猫が好きな人ばかりではありません。
汚いからどっかに持って行って!と怒る人もいるでしょう。
でも手術をし、桜カットがあれば『この子は1代限りの命です。生を全うさせてあげましょう。』となり、殺処分の対象にはならないのです。
増えすぎるとTNRも大変です。
エサをあげるのであれば、フンの処理もセットですし、時期を見て手術をしましょう。
(お住まいの地域のTNRで検索し、市の方針・補助を確認、相談しましょう。)
そして地域猫として暖かく見守り、その子の外での生活をサポートしてあげてくださいね(*^-^*)